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綺麗な小物、美味しいベトナム料理、アオザイ、最近の経済発展、溢れかえるバイク。ベトナムのイメージはそんな感じだろうか。しかしベトナムはあくまで社会主義国である。それを強く意識しだしたのはいつからか。

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外国人はいつも「外人」であり、監視の対象である。ビザの申請に時間がかかるとかそういう単純なことではない。ベトナムでは、ベトナムの家への外国人の宿泊が原則禁止(制限)されている。ベトナムで家を借りて住み始めるには、事前に警察(ベトナムではCong An=公安という)に様々な書類を提出して許可が下りてからでなくては家に入ることが許されていない。更にその「許可」とやらがやたら時間がかかる。慣れたハウスオーナーに至っては、許可が下りた後に入居する外国人の「顔みせ」を警察にしに行く。こうして無事「登録」された外国人は、その後も警察の監視の下に置かれることになる。

旅行者も例外ではない。ホテルにチェックインする外国人は皆、警察に登録される。旅行者は気づかないこともあるが、どのホテルも確実にゲストリストを警察に報告している。そう法律に定められているからだ。

さて、家が確保できた所で郊外へ繰り出したいと思うのは人の常である。しかしここでもまた事前通告の必要が出てくる。(都市部や旅行者の多い地域は別として)外国人が所謂普通のベトナム人民が住む郊外の社(Commune)に入る際には社の人民委員会への事前通告が必要だ。通告なしにそうした地域を訪れると、住民の誰かに警察に「密告」されることがあるからだ。密告されれば警察がすぐさまやってきて、「外国人がここで何をしているのか」、ということになる。そんなことは警察が口を挟むことじゃぁない、と単純に思ってしまうが、外国人の行動は常に監視されていなければならないらしい。正にスパイ扱いである。しかし警察に監視されているということ以上に、人々の間に本当に密告する人が居るという事実に寧ろ驚かされる。

組織とて例外ではない。外国人が関わる会社や団体のPCが勝手にチェックされたり、時によってはハードディスクごとコピーされることも珍しくない。警察によるPCの検閲である。私の知り合いの働く会社では、オフィス内のPCのハードディスクが警察によって検閲されたという。週末だか深夜だかオフィスに人の居ない時間に検査が入ったものの、抜き取ったハードディスクを元のPCに戻さず、他のPCに入れ違いに戻したため、この事実が発覚したという。これだけ外国人の関わる組織が増加している今、いちいちPCの中身までチェックすることがどれだけ現実的なのかは分からないが、当地ではよく聞く話である。

文章の検閲もなかなか厳しい。知り合いの働くNGOでは、地元の貧困地域の支援をしているが、その地域の人々の生活を支援する目的でハンディクラフトを販売している。そのハンディクラフトに付属する小さな説明書きにあった一文「この地域では貧困率が○○%で識字率も○○%と低く、人々は非常に困難な生活状況にあります」。最近、これを削除する様、政府から組織の代表者に「指導」があったそうだ。一体どこで見つけてきたのか。この背景には対象としている貧困地域の人々は政府の「都市美化」プロジェクトによって強制移住させられてきた元船上生活者だという背景もあるのかも知れない(いや、間違いない)。

更に、ニュースによれば文化情報省は現在ブログの検閲に関する規定を作成中だという。「管理機関を設置し、政府・党批判や反道徳的な内容を含むブログを検閲する方針」というが、そんなことをしても利用者が海外のサイトを利用する様になるだけだ。それにしても「政府・党批判」が「反道徳的な内容」と並列されて語られていることにこの国の現在を見ることができる。

この国では、何か問題が起こった時、結局は「あなたは外国人だから」ということになる。今でもその意味が十分理解できずに居るが、しかしバイクの免許を取る際には「お前は外国人だから通してやる」と言われた。外国人で得することもあるものだ。
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