上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
フィールドワークで藪を抜けて村の奥へ奥へと入る。

道はどんどん狭くなり、人気(ひとけ)も少なくなってくる。

そこを更に直進。奥へと進む。

DSCF5126_20100621022941.jpg

そして、その藪の向こうに栽培されていたものとは!!

DSCF5149_20100621022959.jpg






え、ガンジャ!?と思ったあなた。
大分アウトローな生活されてますね。



あ、キャッサバ?と思ったあなた。
大分熱帯通です。



正解は後者。キャッサバは、熱帯ではどこでも見かける生命力の非常に強い植物で、アフリカでは「マニオク」と呼ばれている。よく貧しいアフリカの人々が芋を食べているシーンがあると思うが、その時に食べているのはこの芋の可能性が高い。

この芋のデンプンを利用して作られたのが「タピオカ(パール)」だ。タピオカはああいう実が採れるんだと勘違いしている人も居るが、あれはキャッサバ芋のデンプンをああいう形に丸めているだけの話しだ。バブルアイスティーに入っている大きなタピオカも、大きく丸めたキャッサバ芋のデンプンに他ならない(サゴヤシのデンプンのこともある="sagu"などと書いてある)。

キャッサバはとにかく生命力が強く、貧しい土壌でも育つ。茎を切って地中に挿すだけでどんどん増えていく。特に甘くも無いサツマイモの様な芋は、美味くもないが、お腹が膨れる。土壌の肥沃でない熱帯の人々には欠かせない作物なのである。
さて、今回は話を養殖に戻そう。

元エビ池でのティラピア養殖地を後にした我々は更に40分程移動する。

ラグーン沿いに広がる山間地。きれいな湧き水のあるこの土地で、地元漁協とちょっとした試みを始めようとしているのだ。

DSCF5153.jpg

森の中をちょっと歩くと養殖施設が見えてきた。事前に打ち合わせしてトレーニングもした通り、漁協が設備の準備を進めていた。

バナナの木陰にひっそりとある養殖施設。

DSCF5160.jpg

漁協の代表の案内で養殖タンクの準備具合についてチェックする。水供給、水質、電気供給、その他諸々について確認。

DSCF5150.jpg

DSCF5151.jpg

実験なのでタンクは2つだけ。

で、ここで何を養殖すんのよ、という話。

こいつです↓

P1100620.jpg

じゃーん。ウナギ。

といってもここで育てるのは稚魚まで。稚魚生産をして地元の養殖家に販売しようという計画だ。

ウナギの稚魚は日本も含めて現在は全て天然だということはご存知だろうか?ウナギはかなりミステリアスな魚で科学的にもまだ分かっていないことが結構ある。

ウナギは海で産卵するのだが、海から河に戻ってくるウナギの稚魚をババッと網で取って、それを養殖しているのが今の養殖ウナギだ。だから養殖ウナギと言えども、厳密には完全な養殖ではないのだ。

ウナギは結構ワガママな魚でもある。海から河に戻ってくる小さなウナギたちは当初白っぽい色をしている。いわゆるシラスウナギというやつだ。これが河に入ると色がついてくる。色がついたららもう自然の餌に慣れてしまった証拠で、人工の餌に慣れさせるのは至難の業だ。だから養殖するウナギについては早い段階で集めないと使いものにならなくなるのだ。

淡水魚全体の価格が安い中、ウナギの価格は海水魚を超える高値だ。山があり、綺麗な淡水が豊富なこのエリアでウナギの稚魚が育てられれば、小規模ではあるが地元漁協を中心とした一つの地場産業になる。その稚魚たちをここのタンクで育てようというのがここでの試みだ。

現在、この地域では自然から稚魚が取れた時点で販売をしているので、稚魚の供給が安定していない。この試みが上手く走れば稚魚の安定供給が可能にもなる。

そして何より、漁協の収入が安定すれば、ラグーンの管理に当てられる予算も増えることになる。
今はまだ必要な人件費すら出すのが大変な状態だから、漁協の財政強化はラグーン管理にとって重要な課題だ。

------------

ところで、

ウナギといえば蒲焼だが、昔はウナギをそのままぶつ切りにして串に指して焼いていた、その姿が蒲(ガマ)の穂に似ていたことから「蒲焼」と呼ばれるようになったという説がある。

寿司にばかり使われると思われがちな「江戸前」という言葉も、1700年代初頭の享保年間には、ウナギのことを指していたらしい。さらに、「江戸前に のたをうたせる 女あり」という川柳もあって、江戸時代はウナギを捌いていたのはもっぱら女性だったというのは面白い。

保温技術も発達していなかった昔に、ウナギを暖かいまま食べる策として、熱いご飯に挟ませた。これが「うな重」の元祖で、ご飯とウナギを2重にしていたという。なんとも豪華なうな重である。

と、ウナギについては知れば知るほど面白いストーリーが沢山あるのだ。

さて、話しを戻して、、

DSCF5152.jpg

山の上から流れ出る湧き水をろ過して養殖タンクへ送っている所。

ちょっと心配になって、水の供給源を見せてくれと頼む。

DSCF5166.jpg

道無き森の斜面をしばし登ってゆく。

DSCF5165.jpg

着いた。んんん?!ちょっと、というか、だいぶ水少ないね~。
これじゃ水供給が不安定過ぎるので、供給元を増やして強化するように指示。

そんな話しをしていると近くに一緒に連れてきた筈のスタッフの姿がない。
あれ、どこいったあいつら????

と、ふと森の中に目をやると!!

DSCF5161.jpg

たわわとなるジャックフルーツの実を発見して、心奪われているではないか!

なんとも嬉しそうな顔。

おおおーーーーい、おまえら仕事しろーーーーーー!!!!

もうジャックフルーツしか眼中にないスタッフはジャックフルーツ採りにまい進する。

DSCF5163.jpg

樹に登る、実を揺らす。引っ張る。
もう仕事そっちのけでジャックフルーツがどうしても食べたいらしい。

まあ、いっか。

漁協との話し合いを終わらせて帰りの車に乗り込んだ。
次回はウナギの稚魚をストックしにくる。
エビ養殖池を後にして、また暫く移動。今度は魚の養殖池に到着。

ここでも地元漁協とちょっとした実験養殖をしているのだ。

DSCF5132.jpg

竹の楽器のようなものでドンドンドンと音を鳴らすと魚が一斉に寄ってくる。魚の学習能力も大したもんだ。

DSCF5133.jpg

バシャバシャと餌を食べる魚たち。

DSCF5139.jpg

おぉ、来たっ!

この姿でこの魚の名前が分かったらなかなかの魚通(?)。

その名はティラピア。熱帯地域の養殖では簡単で一般的な魚だ。

実はこの池はかつてはウシエビを養殖していた池だった。しかし、生産性が低く病気のリスクも高いので、エビ生産が中止された池だ。

フエにはこうした池が急増している。かつてのエビ養殖拡大の政策に後ろ盾された、今までの無計画な拡大の影響がこういう形で今現れてきているのだ。足元を見ずに借金までしてエビ養殖に飛びついた人々が悪かったのか、それを後押しした政府が悪かったのか。それは両方に責任があるだろうが、隣の家が儲かるのを横目に、ギャンブルの様なエビ養殖に飛びつき、借金まみれになった地元民も少なくない。

十分な準備なくだた養殖拡大を推進してきた政策の罪は大きい。この風上の政策を変えていく作業も現在行っているわけだが、それはまた別の機会に書くことにする。

さて、使われなくなった池は生産性が0になる訳だが、他の用途に転用するのもそう簡単ではない。汽水が入り込んだ池は農地に戻すのも現実的にはかなり難しい。となると今ある池をどう使うかという話しが現場では結構重要になってくる。

そこで、この使われなくなった養殖池で、汽水でも育って生命力も強いティラピアを養殖して少しでも生産活動に使って、地元養殖者の生計向上に役立てようじゃないかというのがこの実験の一つの目的だ。ティラピアは池の中の有機ゴミなども食べてくれるので、それなりの池の環境改善にも繋がらないかという目論見もある。

フエのティラピアは輸出にはまわされておらず、地元消費が主なので市場が小さく、価格も安めではあるが、とにかく生産の失敗の少ないこと、少なくとも安定した収入が得られることが何よりのメリットだ。ローリスクローリターンの典型の魚である。

バイクを購入したり家を改築したりするご近所を横目に、エビにばっかり飛びついていた地元民が少しでも安定した生計の立て方について考える機会が提供できればと思っている。

DSCF5147.jpg

帰りに見た若い田んぼ。今年一度目の収穫が終り、もう二度目の稲作が始まっている。8月中には収穫されて、9月以降には台風・洪水のシーズンがやってくる。その頃までには魚も稲もみんな収穫が終わっている。フエの田舎の一般的なライフサイクルだ。
フエは養殖シーズン真っ只中!

秋・冬に気温が下がり洪水・台風もあるフエでは、暖かく雨も少ない2~8月が養殖のメインシーズン。エビ、カニ、魚が市場を賑わすのもこのシーズンだ。

ということで、先日は我がプロジェクトの支援している養殖モデルの実施地に視察に行ってきた。

フエ市内から車で走ること1時間。最初の目的地に着く。

DSCF5113.jpg

水を抜いたウシエビの養殖池。ウシエビとはブラックタイガーのことだ。よっぽどのエビ嫌いでない限り日本人なら一度は口にしたことのあるエビである。

池を使った養殖は、この水を抜いた準備作業がかなり重要だ。水を抜いて底の表面に溜まったエサの食べ残しやエビの排泄物を取り除き、底を耕し、天日乾燥させ、消毒用の石灰を撒く。水を抜いた直後は、それまでの養殖で溜まった「ゴミ」が表面に溜まっていて、それを放置しておくとそこに様々な菌・ウイルスなどが繁殖して、病気発生の原因にもなる。底を耕して酸素をいれ、天日乾燥と石灰で更に綺麗にする。親が子供のベッドをキレイでフカフカに準備する様な感じだ。

それにしても池から田んぼ、そして山へ繋がる風景が美しい。よく見えないが山の手前にラグーンが広がっている。

DSCF5116.jpg

水を抜いた池で巻貝を集める地元の子供達。ちゃんと家の家計を支えている。

その隣では子供達が網で魚を取っていた。

DSCF5118.jpg

その収穫の一部。魚も子供サイズ。

DSCF5119.jpg

水を張った養殖池と手漕ぎボート。竹の素材を編み上げてタールで水漏れ防止をしたもの。とてもシンプルだが、私はこのボートが一番気に入っている。

ここの池で、地元漁協とウシエビとアイゴの混合養殖実験をしている。正確には実験というよりはデモンストレーションなのだが。混合養殖とはその名の通り、二種以上の魚を混ぜて養殖する方法なのだが、ただ混ぜるということではなくて、それにはきちんとした理由があるのだ。

ウシエビだけを養殖した場合、餌の食べ残しやエビの排泄物で次第に池の環境が悪くなっていく。そうした有機汚染物は、植物性プランクトンや藻類などの栄養素として一部消費されていく訳だが、それらを食して生きている生き物達を池に入れることで池の環境を改善しようというのが混合養殖の基本的な考え方だ。いわば、生態系のサイクル(の一部)を利用した養殖の方法なのだ。

結果として池の環境も良くなり、エビの成長も促進され、病気リスクも減り、おまけに最後には魚まで収穫できる、、、のではないかという所で、地元漁協と協力して実験的に混合養殖を行っている。実際全てがそんなにキレイに進む訳ではない。

ラグーンの北部ではこの方式を取り入れている養殖家も比較的増えてきたが、今回訪問した南部ラグーンではまだまだ単一種の養殖の方が利益が高いと信じ込んでいる養殖家が多いので、この地域の漁協の元でデモンストレーションをしているのだ。

「百聞は一見にしかず」と言うけれど、地元の養殖家は自分の目で見ないとなかなか信じてくれないので、この試験養殖が上手くいって、普及が進んでくれれば大分養殖地からラグーンへの汚水排出も緩和されるだろういう目論みだ。

DSCF5121.jpg

水面を泳ぐウシエビ。まだまだ小さいが後2ヶ月程度で収穫期を迎える。

こいつがエビフライになる日もそう遠くない。
フエはもう夏まっさかりということで先週もラグーンへ出てきた。

今回のミッションはずばり、ハマグリの養殖適地を探し出すこと。

環境データと地元漁師からの聞き込みである程度の目星はついている。

オフィスから車で1時間半、そこからボートに乗り込み目的地へ。

P1130926.jpg

圧倒的な水の透明度。夏の今は大雨も台風もないから水が濁らず、底まで透き通る。正にブルー・ラグーン状態。本当はちょっとエメラルドグリーンも入っている。

地球の表面積の7割が水に覆われている正に「水の惑星」に住んでいるんだということを実感させてくれる一瞬である。

P1130922.jpg

P1130919.jpg

P1130925.jpg

P1130927.jpg

↑見よ、この圧倒的透明度を!

ここのビーチはフエの中でも一番と言えるほど美しく、しかし穴場で、普通のツーリストではまず来れないからとにかく人が居ない。

本当に人が居ない。

P1130923.jpg

このビーチとエメラルド・グリーンの海をを独り占めの幸せ。

昼から泡盛が飲みたくなってくる。

そこをぐぐっと我慢して本題へ。

なぜ今回のミッションがハマグリの養殖適地を探すことかと言えば、今まで過度にエビや汚染度の高い魚(タイやハタなど)の養殖にばかり目が向いてきた当地の養殖を、より環境負荷の少ない形態に移行していこうという狙いがあるからなのだ。

つまり高負荷型の養殖に変わる低負荷型養殖の代替案を模索する旅なのである。

ハマグリや牡蠣やムール貝などのいわゆる二枚貝は水を濾して微生物などを食べているので、水質改善にももってこいの生物なのだ。

様々な場所にボートを止めて水環境と底を確かめる。

そして今そこにどんな貝類が居るのかを確認する。今、そこにどんな天然の貝が住んでいる、繁殖しているか、ということが環境の大きな指標になるのだ。

P1130915.jpg

ハマグリ発見~。

P1130931.jpg

これ以外にも場所によって、カキやムール貝など色々と自然の生息地を確認した。

ハマグリの養殖に使えそうな場所は当初思ったより限られていそうだ。
これからオフィスで計画を練らねばならない。

こうして陽はやがて暮れてゆき、また今日という日が終わっていったのであった。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。